疫病神世界線
「人に愛されたい」
そんな欲求を持っているにも関わらず、ナタリーは人から嫌われていた。
それは彼の顔が不出来だから?
いいえ。
とんでもないワルだから?
いいえ。
彼は”近くにいる人を不幸にしてしまう体質”を持っていたからだ。
何もないところでつまずくという小さなことから、頭に植木鉢が降ってくるという命にかかわることまで。
何も悪いことはしていない。
だけど、存在するだけで悪なのだ。
ナタリーは幼いながらにもそれを理解していた。
そんなところに、ボロボロの服を着た染(そまり)という青年が現れる。
染は被虐嗜好という性癖からか、ナタリーの特性をいたく気にいる。
愛されたいナタリーと、愛されたくない愛が欲しい染。
噛み合ってないようで噛み合っている二人は旅に出る。
世界の終わりを見るために。
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